日本のWebデザインはなぜダークモードに消極的なのか?

投稿日 2025/09/06

ダークモードとライトモード

僕自身、ダークモードをデフォで使用する機会が増えたので今回はダークモードの話題を。
ちょっと前までライトモードがまだまだ主流だと思っていたのですが、現在はそうではなくなって来ているようですよ。

ダークモードの利用状況(2023〜2025年)

ダークモードの普及率は年々上昇しており、特に若年層を中心に広く使われています。
以下は最近の調査結果をもとにした概要です。

世代・属性 利用率・傾向
20代 約80%以上がメルマガなどをダークモードで閲覧
全体平均 約45.8%がダークモードを使用
60代 20代と比べて使用率が12%くらいしかない
OLED搭載デバイス バッテリー節約効果が高く、利用率が上昇
出典:Genspark
  • 2025年現在、スマホやPCアプリでは「ダークモードが標準機能」として定着しています。
  • UI/UXの観点では、ユーザーが自由にテーマをカスタマイズできる設計が増加中。
  • 日本ではまだライトモードが主流のWebサイトも多いですが、徐々に対応が進んでいます。
なぜ、人気?
  • 目の疲労軽減(特に夜間や長時間使用時)
  • OLEDディスプレイでの省電力効果
  • 視認性の向上(暗い背景に白文字が見やすい)
  • デザインの一貫性と好みの反映

ダークモードの普及とその背景

近年、スマートフォンやPCのOS、主要アプリケーションで「ダークモード」が標準搭載されるようになり、世界的にその利用が広がっています。視認性の向上、省電力、目の疲労軽減などがそのメリットとして語られますが、日本のWebサイトでは依然としてライトモードが主流です。なぜ日本ではダークモードが積極的に採用されないのでしょうか?

1. 視覚文化と「明るさ」への信頼

日本のデザイン文化には「清潔感」「明るさ」「安心感」が重視される傾向があります。病院や公共施設のWebサイトを見ても、白背景に青や緑のアクセントカラーが多用されており、これは「信頼」や「誠実さ」を視覚的に伝えるための工夫です。
  • 明るい背景=情報の透明性
  • 白=清潔・安全の象徴
  • 暗い背景=閉鎖的・ゲーム的な印象(特に高齢層には不安要素)
このような文化的価値観が、ダークモードの採用を慎重にさせている一因です。

2. 技術的制約と保守的なWeb運用

日本企業のWebサイトは、CMSやテンプレートベースで構築されていることが多く、デザイン変更にはコストと承認プロセスが伴います。ダークモード対応には以下のような技術的課題があります。
  • CSSの切り替え対応(prefers-color-scheme の導入)
  • 画像やロゴの透過・反転処理
  • アクセシビリティの再検証(WCAG基準)
特に官公庁や教育機関などでは、保守性と安定性が優先されるため、ダークモードの導入は後回しになりがちです。

3. モバイル中心のUIとユーザー層の違い

海外ではモバイルファーストの設計が進んでおり、ユーザーが自分の端末でダークモードを選択することが前提になっています。一方、日本ではPC利用者も多く、企業サイトやECサイトでは「万人向けのデザイン」が求められます。
  • 若年層:SNSやアプリでダークモードを好む傾向
  • 中高年層:ライトモードの方が視認性が高いと感じる
  • 企業:ユーザー層が広いため、ライトモードで統一しがち

4. 海外との比較:ダークモードは「選択肢」である

アメリカやヨーロッパでは、UX設計の基本として「ユーザーに選ばせる」ことが重視されます。多くのWebサイトでは、ヘッダーやフッターに「ライト/ダーク切り替えボタン」が設置されており、ユーザーの好みに応じた表示が可能です。

ダークモード普及率:日本 vs 海外(2023〜2025年)

日本と海外におけるダークモードの普及率には、文化的・技術的な違いが色濃く反映されています。

地域・国 普及率(推定) 傾向・特徴
日本 約45〜50%(全世代平均) 若年層では高いが、企業サイトや公共機関ではライトモードが主流。Webデザインの保守性が影響。
アメリカ 約70〜80%(特に20〜40代) 多くのアプリ・OSがダークモードを標準搭載。視認性よりも「スタイル」として好まれる傾向。
ヨーロッパ(例:ドイツ、フランス) 約60〜75% 環境意識の高まりとともに、省電力目的での利用が増加。
韓国・中国 約55〜65% モバイル中心の利用環境で、SNSやメッセージアプリではダークモードが主流。
インド・東南アジア 約40〜60% 端末の性能やOSのバージョンによって差が大きい。若年層中心に普及中。
出典:Genspark
  • 日本のWeb文化では「明るく清潔感のあるデザイン」が好まれる傾向があり、ダークモードはまだ“裏設定”的な扱い。
  • 海外では「ユーザーが選べること」がUXの基本とされており、ダークモードはデフォルトで選択肢に含まれる。
  • SEOやブログ運営の観点では、ダークモード対応の有無がユーザー滞在時間や直帰率に影響する可能性もあるため、検討の価値ありです。

日本ではまだ「デザインは提供側が決めるもの」という意識が強く、ユーザー主導のUI設計が浸透していないのが現状です。


今後の可能性と提案

日本のWebデザインがダークモードに消極的なのは、文化的価値観・技術的制約・ユーザー層の違いが複合的に絡んでいるためです。しかし、以下のような取り組みが進めば、今後の普及も期待できます。
  • ユーザー設定に応じた自動切り替えの導入(CSSメディアクエリ)
  • アクセシビリティ基準に基づいたダークモード設計
  • 若年層向けサービスから段階的に導入

Webは『見る人の体験』で進化するもの

日本でも、ユーザー主導のデザインが広がれば、ダークモードは単なる流行ではなく、選択肢として定着していくでしょう。



~ 当ブログもダークモードに対応を完了しました。~

システムの設定(OSまたはブラウザの設定)に基づいて変化します。
一応全般チェックはしたつもりですが、細部にまで目が行き届いていないかもしれません。
見にくいところがあるかもしれませんが、ご容赦ください。


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