【名盤】Metallica (commonly known as The Black Album)
メタリカの「ブラック・アルバム」は、1991年にリリースされた彼らの5枚目のアルバムで、正式なアルバムタイトルはバンド名と同じ『Metallica』です。そのシンプルで漆黒のジャケットから「ブラック・アルバム」の通称で広く知られています。
このアルバムは、メタリカのキャリアにおいて非常に重要な転換点となり、その後のヘヴィメタル界全体に大きな影響を与えました。

ブラック・アルバムがすごい理由
音楽性の変化と普遍的な魅力
- それまでのスラッシュメタル的な複雑で長尺な楽曲から、よりシンプルでヘヴィネスを追求した楽曲へとシフトしました。プロデューサーのボブ・ロックの貢献が大きく、楽曲がよりタイトで構造的になり、聴きやすさが格段に向上しました。
- ジェイムズ・ヘットフィールドの歌唱がより「歌う」ことを意識した表現となり、バラード曲も収録されるなど、音楽的な幅が広がりました。特に「Enter Sandman」や「Nothing Else Matters」といった楽曲は、従来のメタルファンだけでなく、幅広い層に支持されました。
- アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンが「メタルをメインストリームに押し上げた」と評価するように、このアルバムによってメタリカは単なるヘヴィメタルバンドの枠を超え、世界的なロックバンドとしての地位を確立しました。
商業的成功と影響力
- 「ブラック・アルバム」は驚異的な売上を記録し、ヘヴィメタルの社会的認知度を高めました。米国だけでも1600万枚以上(RIAA調べ)を売り上げ、全世界で3000万枚以上とも言われています。
- 現在でもLuminate時代(音楽データの収集方法が変化した時期)で最も売れているアルバムであり、リリースから数十年経った今でも毎週数千枚のセールスを記録するなど、その人気は衰えません。
- 多くの後続のバンドに影響を与え、若い世代のロックファンがヘヴィメタルの世界に入る「入門編」としても機能しました。
革新性と実験性
- スラッシュメタルの猛進から一転し、より洗練されたサウンドを目指したことは、当時のメタルシーンにおいて非常に挑戦的な試みでした。しかし、その挑戦が成功し、メタルサウンドの新たな可能性を示しました。
- 2021年にはリリース30周年を記念して、53組もの多岐にわたるアーティストが参加したカバーアルバム『The Metallica Blacklist』が発表されるなど、その影響力の広さを改めて示しました。
初期の頃から彼らのファンだった人らには作風の変化が不評だったそうですが、一気にジャンルの枠を飛び越えたことは凄かったと自分は思います。
1998年に行った大阪城ホールは、いまでも印象に残っているぞ。
ついに、全米だけで2千万枚突破ですかあ。メタリカ、1991年発表の『ブラック・アルバム』が全米で20xマルチ・プラチナ・ディスクに認定 | NME Japan
凄い記録ですね。
チャートインの記録もまた凄い。
この記録を達成したアルバムはわずか4枚だけで、『メタリカ』を上回るのはピンク・フロイドの『狂気』による990週、ボブ・マーリーの『レジェンド』による843週、ジャーニーの『グレイテスト・ヒッツ』による813週という3枚のみとなっている。フロイドはともかく、ジャーニーって何だかんだ言われても人気なんだな。
マイケルやエルヴィスじゃなくて、レゲエのボブ・マーリーとメタルのメタリカってのも、これまた興味深い。